TILL THE COWS COME HOME

2017.08.26
第一巻 湖水地方レポート

これは、199410月のThe World of Interiors 誌の特集ページ。英国の、いわゆるクオリティ雑誌である。

 

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TILL THE COWS COME HOME、牛の群れが牧草地から牛舎に帰るまでに・・・というほどの意味か。本文の内容だが、有名なデザイナーが、田園の離農跡を手に入れて、牛舎を居室に改造して暮らしている。舗石を敷いてあるところは、かつて牛の群れが通った道だ。夜明けとともに牧草地に出た牛の群れは、日差しが西に傾いた頃に戻ってくる。彼らの、その規則正しい行動は、人の心をいやしてくれる。そのデザイナー氏は、夕方になると、その気配を感じ、牛の幻影を見るという。

午前中に仕事を終えて遅いランチを済ませ、午睡を愉しみ、お茶をいただき、友人との語らいに興じ、読書におぼれる。牛の群れが帰ってくる前の、贅沢な時間。

 アメリカ大陸で暮らした時代、英国に暮らした時代、社会的な地位を手に入れたのちに、田園に移住して暮らす人々との交流があった。この雑誌の記事に、彼らの暮らしの美意識というものを感じて、折に触れ思い起こしたのだった。

 ところが、気がつけば私自身が今、そんな暮らしを手に入れている。牧場には、本当に優雅で贅沢な午後がある。人生は分からないものだと、ホントに、つくづく・・・                                                                                          2017.8.26

 

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